配達の仕事を始めて、4年半。
同じエリアをずっと走っていると、少し変わったことが起きます。
普通なら、荷物を見て、
「住所はここか。」
となると思います。
でも、長く配達していると、順番が逆になる。
荷物の名前を見て、
「あ、この家だ。」
となる。
もちろん、そのまま配達するわけではありません。
同じ苗字のお宅が近くにあることもあるので、最後は必ず住所を確認します。
「あ、やっぱりここね。」
これが、長年同じエリアを走っている配達員の感覚です。
赤ちゃんだった子が、4歳になっている
配達を始めた頃、玄関先で小さな赤ちゃんを見かけることがありました。
それから何年か経って、また同じ家へ配達。
「あれ?」
と思ったら、その子が普通に歩いている。
そして、気がつけば4歳くらいになっている。
そりゃそうですよね。
こっちが4年半、同じ街を走っているんだから。
子どもは成長します。
普通の高校生だった子が、めっちゃ変わってる
これもあります。
以前は普通の高校生だった子が、何年か経って見かけたら、
「めっちゃギャルになってるやん!」
みたいなこともある(笑)。
最初は誰か分からない。
でも名前を見る。
「あ、この家か。」
住所を確認して、
「やっぱりそうだ。」
となる。
配達員からすると、荷物を届けているだけなんですけどね。
何年も同じ場所を走っていると、お客さんの変化まで自然と目に入ってきます。
最初は死ぬ気で吠えていた犬
人だけじゃありません。
犬も覚えてくれます(笑)。
最初の頃は、家の前まで行っただけで、
「ワンワンワンワン!!!」
ものすごい勢いで吠えてくる。
「そんなに嫌わんでも……」
と思うくらい。
ところが、何度も何度も配達していると、だんだん反応が変わってくる。
最初は全力で吠えていたのに、
「あ、またこいつか。」
くらいになる。
そのうち、こっちを見ても普通。
さらにそのうち、懐いてくる。
毎日たくさんの家を回っているけど、こういう小さな変化はちょっと嬉しい。
Yahoo!ニュースを見て「あそこやん」となる
そして、長く同じエリアを走っていると、ニュースまで身近になります。
Yahoo!ニュースで事件や事故、火事の記事を見ていて、地名が出てくる。
普通なら、
「大変だな。」
で終わるところ。
でも、自分の配達エリアだったりすると、
「ん?これ、あそこやん。」
となる(笑)。
ニュースに出ている場所を見て、
「あの辺か。」
「この道の近くだな。」
と分かってしまう。
毎日走っている場所だから、ニュースの地名がただの地名じゃない。
頭の中に景色が浮かんでくる。
住所より先に、街が浮かぶ
配達を始めたばかりの頃は、住所を見て地図を開く。
そして、
「ここはどこだ?」
と探す。
今は少し違う。
名前を見て、
「あの家かな?」
住所を確認する。
道を見れば、
「あっちから入った方がいい。」
家を見れば、
「あ、この家ね。」
犬を見れば、
「あ、いつもの犬だ。」
ニュースで地名を見れば、
「あそこじゃん。」
4年半も同じエリアを走っていると、いつの間にか街そのものが頭の中に入っています。
配達員は、街の時間も見ている
考えてみれば、不思議な仕事です。
毎日やっていることは、荷物を持って家へ行って、届ける。
それだけ。
でも、それを何年も続けていると、
赤ちゃんだった子が大きくなる。
高校生が大人になっていく。
犬が少しずつ懐いてくる。
家の景色も変わっていく。
そして、自分自身も4年半歳を重ねている。
配達員は、荷物だけを届けているわけじゃないのかもしれません。
毎日同じ街を走っているからこそ見える、ちょっとした変化があります。
最初は知らない家ばかりだったのに、気がつけば名前で家が浮かぶ。
住所を見れば、景色が浮かぶ。
ニュースを見れば、場所が分かる。
そして、最初は死ぬ気で吠えていた犬まで懐いてくる(笑)。
4年半走ってきたら、そりゃ街も覚えるよね。
今日もまた、いつものエリアを走ります。


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